本文へ移動

仕事の説明が長くなる。上手な人の口調より「何を決めてもらうか」から話を組み立てる

きいてみた編集部

背景から丁寧に話したつもりなのに、「結局どういうこと?」と聞かれる。資料を全部理解していても、人に説明する段階で順番が分からなくなることがあります。 同僚の伝え方を学びたいという相談と、仕事で役立った技能を話す投稿から、説明の準備を考えます。話す内容を丸暗記するより、相手が必要とする判断と、そのための材料をそろえる方法に目を向けます。

ペンを差し出す手元

1.簡潔さは、話す量だけでは決まらない

ある相談者は、顧客との打ち合わせを簡潔に進める同僚のようになりたいと書いていました。要点が伝わり、印象に残る話し方を、自分も身につけたいという相談です。

短く話そうとすると、必要な背景まで削ってしまうことがあります。反対に、丁寧に説明しようとして、相手がもう知っていることを長く話す場合もあります。短さだけを目標にするより、相手が何を判断する場なのかを先に確かめたいところです。

たとえば、作業の状況を知らせる場なら、進み具合と困っている点が必要かもしれません。方針を選ぶ場なら、候補と違い、決めてほしい点が中心になります。同じ資料でも、聞く人にしてほしいことが変われば、説明の入口は変わります。

2.言い回しより、説明する順番を借りてみる

相談へのコメントには、同僚を観察するときの具体的な視点がありました。

その人の話し方を、そっくりまねしようとはしませんね。次の何回かの打ち合わせで、どんな順番で説明しているかに注目して、自分の担当部分でも同じ構成を使ってみてください。それから感想をもらうんです。分かりやすく聞こえる理由は、言葉遣いそのものより、おそらく構成にあると思います。

声や話す速さをまねるより、何を先に示し、どこで理由を足し、いつ相手に確認しているかなら、自分の説明にも移しやすそうです。ただ、相手や目的が違うのに、順番だけをそのまま持ってくればよいわけではありません。

たとえば、詳しい担当者には変更点から入り、初めて聞く人には何の話かを一言足す必要があるかもしれません。観察した順番を使ってみて、聞き返された箇所を見直すところまでを、一つの練習として考えます。

感想をもらうときも「どうでしたか」だけでは、丁寧な返事で終わる場合があります。「最初に判断してほしい点は伝わったか」「背景が長すぎなかったか」と一つずつ聞けば、次に変える部分を具体的にしやすくなります。

書類をまとめたクリップの接写

3.全部の台詞を決めず、入口と要点を声に出す

同じ相談の返信では、打ち合わせ前の練習方法が紹介されていました。

全部をリハーサルする必要はありません。目的を考え、導入と、次のプレゼンや打ち合わせではっきり伝えたい決めの言葉、あるいは主な要点を2〜3個用意するだけです。鏡の前で一度声に出せば、その言葉にどんな声の調子や姿勢が合うか、すぐに分かります。10分でできます。 さらに大事なのは、これで即興で話すための、しっかりした土台ができることです。

これは投稿した人の練習の仕方で、誰でも同じ時間で十分に準備できるという意味ではありません。参考にできるのは、全文章ではなく、話の入口と主な要点を先に言葉にしている点です。

たとえば「今日は納期について、二つの案から決めていただきたいです」と始めるなら、その後に何を並べるべきかも見えます。入口を声に出してみて、自分でも何を求める話か分からないなら、話し方の前に目的を整理する余地があります。

丸暗記した説明は、途中で質問されると元の台詞に戻ることが目的になるかもしれません。要点と、それを支える材料を分けておけば、聞かれた部分だけを先に扱い、残りを省くことも考えられます。台詞どおりに終えることより、その場の相手に必要な説明ができたかを見ます。

ノートにペンを添えて考える手元

4.説明する材料がないときは、日々の記録も整える

仕事で役立つ技能を尋ねた別の投稿には、短い記録を残す提案がありました。

記録を残すことです。 毎日、終えた作業や取り組んでいる作業の短いリストを作っておくと、人事評価のときや、何をしているのか見えないと問われたときなど、長い目で見て役立ちます。

話す直前に記憶をたどっているなら、説明の順番以前に、何が起きたかを取り出す作業が必要です。経緯を全部書くのでなく、終わったこと、止まっていること、次の判断を短く残すと、説明する材料になります。

  • この場で、相手に何を知り、何を決めてほしいかを書く。
  • 先に伝える要点と、必要になったら出す背景を分ける。
  • 入口だけ一度声に出し、無理なく言えるか確かめる。
  • 話した後は、どこで質問や聞き返しがあったか振り返る。

たとえば「いろいろ対応していました」ではなく、「二件は完了し、一件は確認待ちです。期限を守るため、今日中に担当を決めたいです」と整理する例があります。数字や状況は実際に確認したものを使い、見栄えのために実績を作らないことが前提です。

また、詳しく説明できることと、聞く人が判断できることも同じではありません。専門用語を理解していても、相手にはその意味や影響の説明が必要かもしれません。準備中に「この人はどこまで知っているか」を確かめることも、伝える仕事の一部になります。

実際の打ち合わせを見せてもらう場合は、参加できる範囲や相手の都合を先に確認します。学ぶためだからと、顧客との会話を勝手に録音したり、資料を外へ持ち出したりする必要はありません。自分の説明について、一点だけ助言をもらう形からでも始められます。

5.上手に話せたかを、相手の次の行動から振り返る

説明の後に見るのは、流暢だったかだけではないでしょう。必要な判断ができたか、何を持ち帰るかがそろったか、誤解したまま進む点がないかも確かめられます。

次の説明では、先に「何を決めてもらうか」を一行にしてみる。そこから入口と要点を作り、一度声に出す。話す才能全体を変えようとするより、次の一場面の組み立てを試すところから考えてみてください。

← コラム一覧へ