仕事・キャリア
目指す仕事が決まらない。「好きなこと」を探し続ける前に、小さな作業で比べてみる
好きなことを仕事に、と言われても、何を選べばよいか分からない。興味だけで決めるのも、安定だけで決めるのも不安が残る。進路選びと未経験の学習についての二つの投稿から、職業名だけでは見えない判断材料を増やす方法を考えます。

1.好きな職業名が見つからなくても、選ぶ材料は作れる
相談者は、周囲と同じように経済を学び始めたものの、好きではないと気づき、これからの専攻に迷っていました。子どものころから目指す仕事があったわけでもない。「好きなことを選べばいい」と言われても、その好きが仕事につながるのか分からない状態です。
ここでは、まだ目標がないことを、意欲がないことと一緒にしないようにしたいところです。仕事を知らないまま選ぶなら、名前の印象や周囲の評判に頼る部分が大きくなります。内側から一生の答えを見つけようとするだけでなく、比べる材料を外へ取りに行く考え方があります。
2.仕事に好きなものを全て集める必要はあるか
私は美術系と工学系の進路で迷いました。最終的には、工学を学んで仕事にすれば、趣味としてアートを続ける経済的な余裕が持てると思い、そちらを選びました。 「好きなことを学ぶべき」という意見を、そのまま聞く必要はありません。自分が無理なく続けられて、望む暮らしにつながるものを学ぶほうがいいと思います。
この人は、美術と工学を比べ、仕事と趣味に求める役割を分けて選んだと書いています。同じ選択を勧める材料ではありませんが、好きな分野を必ず収入源にしなければいけない、という前提を外す視点にはなります。仕事で満たしたいことと、仕事以外で残したいことは分けて考えられます。
たとえば、毎日新しい発想を出したいのか、手順を丁寧に進めたいのか、人と話す量を抑えたいのか。収入や勤務時間の希望も含め、職種名より一段具体的な条件を書いてみると、何を比べればよいかが見えてきます。全条件をかなえる仕事があると決めつけず、譲りにくいものから順に置きます。

3.説明を読むだけでなく、ごく小さな作業を試す
私はたいてい、思いつく限りいちばん単純なものを、下手でいいから作ってみます。例えば、架空のジュース屋さんの売上をまとめる画面を作る、といった具合です。気負わずに済みますし、解説動画を見続けるより、道具の使い方がずっと早く身につきます。
未経験の仕事を学ぶ投稿では、最も単純なものを作ってみるという案がありました。ここから持ち帰りたいのは、短時間で仕事を理解できるという保証ではありません。説明を読んで面白そうと思うことと、手を動かして面白いと感じることを、少し近づける方法です。
編集部の例なら、分析に関心があれば、公開してよい架空の数字で簡単な表を作る。文章の仕事なら、短い案内文を読み手に合わせて二通り書く。実務の機密情報や他人の成果物を使わず、失敗しても困らない範囲で、作業のどこが楽しいか、どこで詰まるかを記録します。
4.一度の苦手で、向いていないと決めない
勧められるのは、いろいろ試して自分の強みを知ること、すぐに正解の道を見つけなければと焦らないことです。それと、「できるはずなのに、なぜかつらい」ということがあったら、その理由を考えてみてください。
このコメントの前には、無理を続けて消耗した本人の経験が書かれています。「できるか」だけでなく「どんな負担があるか」も見てほしいという文脈です。一方、最初に慣れていない道具でつまずいたことを、その仕事全体への不適性に直結させる必要はありません。
知識不足で止まったのか、作業自体が嫌だったのか、長く一人で取り組む形が合わなかったのかを分けて振り返ります。試したのは仕事の一部分なので、実際の職場の対人関係や忙しさまでは分かりません。次に人へ尋ねる質問が一つ増えれば、小さな体験にも意味があります。

5.将来の正解より、次の比較を一つ決める
最初から、一生変えない進路を選ぼうとすれば、試す前に確信が必要になります。しかし、今回の投稿でも、偶然やその時々の条件から仕事を選んだ経験が語られています。それらは成功の手順ではなく、決め方が一つではないと考える材料です。
今週は二つの分野の作業を一つずつ試し、続けたい部分と負担を比べる。その後、気になる仕事をしている人に、実際の一日の進め方を聞いてみる。目指す名前がまだ決まらなくても、次の選択で何を確かめたいかが具体的になれば、考え続けるだけの状態から一歩進めます。