仕事・キャリア
選ばれなかった仕事の業務だけ、後から頼まれた。「成長の機会」をどう受け止める?
社内の選考では別の人が選ばれたのに、その仕事の得意な部分だけ任せたいと言われる。経験になると思う一方で、不公平にも感じるでしょう。専門的な作業を『成長の機会』として提案された相談から、引き受ける条件と断る理由を具体的に考えます。

1.悔しさがあるからこそ、頼まれた内容を正確に見る
相談者は、事務と高度な表計算・データベース作業を含む役割に応募し、選ばれませんでした。その後、上司から得意な技術を使う機会を提案されています。相談者は、選ばれた人を指導したり、その役割の仕事を引き受けたりしたくないと考えています。
ここで一度確かめたいのは、実際に頼まれたのが作業の担当なのか、指導なのか、責任の肩代わりなのかという点です。選考への不満はあっても、まだ頼まれていない役目まで想像して断ると、話し合う条件がずれてしまいます。相手の意図を好意的に決めつける必要もなく、まず提案の中身を聞けます。
2.受けるなら、『追加』だけでなく『入れ替え』を相談する
もし事務作業よりExcelを使う仕事のほうが面白いなら、こう言ってみてはどうでしょうか。 「私もぜひやりたいです! Excelの業務に取り組む時間を確保するために、今担当している事務などの仕事は、どれをほかの方に引き継げばいいでしょうか?」 上司から誰かを指導してほしいと頼まれたわけではなさそうなので、そこはまだ問題になっていませんよね。事務を減らして、修士課程を終えた後にやりたい仕事に近い業務を担当するなら、近いうちに転職するという計画にも合っていると思います。職務経歴書にも書けますし、単に事務をしていた場合より、今の仕事の経験をアピールできます。
この返信は、業務への興味がある場合の案です。引き受ければ必ず評価されるという約束ではありません。それでも、面白い仕事と、今の仕事を全部抱えることを一緒にしない考え方は役立ちます。時間がどこから生まれるかを確認しないと、成長の機会という名前で総量だけが増える可能性があります。
たとえば週に半日担当するなら、その間の事務作業は誰が行うか、依頼の優先順位は誰が決めるかを聞きます。成果を説明する機会も、自分にあるのか、別の担当の補助として扱われるのかで違います。肩書きがないことだけでなく、仕事の実態がどう変わるかを見たいところです。

3.断る場合も、技術がないふりをする必要はない
「お声がけいただきありがとうございます。ただ、新しく担当になった方の仕事に踏み込みたくありませんし、現在の担当業務だけでも十分に手いっぱいです」と伝えてはどうでしょうか。
丁寧な断り方の一例ですが、『手いっぱい』が事実でない場合に、その理由を借りる必要はありません。引き受けたくない理由が、自分の担当や評価が曖昧なまま専門業務を担うことなら、その条件を確認したいと伝えられます。できないふりをして今後の仕事まで不明瞭にするより、できることと合意している役割を分けるほうが説明は一貫します。
伝え方の例は、『技術面で対応できる作業はあります。ただ、現在の担当に追加して継続的に持つことは難しいです。担当の入れ替えと、成果の扱いを確認してからお返事したいです』。すぐに承諾するか、全面拒否するか以外にも、条件を聞いてから決める段階を作れます。
4.単発の協力と、終わりのない指導を区別する
一度の操作説明なら協力できても、その後の問い合わせや修正をすべて受けるのは難しいかもしれません。『今回の説明資料を一つ渡すところまで』『運用後の相談は担当部署へ』など、終わりを具体的に決めたいところです。教えること自体を嫌がっているのか、際限なく担当になることを心配しているのかも、自分の中で整理できます。
また、選考に選ばれなかった悔しさと、今後その技術を使いたい気持ちが両方あることも考えられます。気持ちが落ち着くまで判断を保留し、仕事内容を確認する時間を取ってもよいはずです。感情を隠して何でも受けることも、悔しさを理由に自分が欲しい経験まで手放すことも、急がなくてよいのです。

5.経験になるかは、仕事の条件を見てから決める
『成長の機会』という言葉だけでは、よい提案かどうかは分かりません。何を担当し、何を減らし、誰が責任を持ち、成果がどう扱われるか。その説明に納得できるなら受ける余地があり、曖昧なままなら確認や辞退の理由になります。
まず上司へ、今回の依頼が作業・指導・運用のどこまでを含むか聞いてみる。選ばれた人と自分を競わせる話から、これから引き受ける仕事の話へ戻すための質問です。