仕事・キャリア
入社3か月で、もっとやりたい仕事の選考が進んだ。今の職場が好きでも転職する?
入ったばかりの会社に不満はない。それでも、以前応募した会社で選考が進み、将来に近い仕事を選べるかもしれない。そんなとき、採用してもらった恩と、自分の希望をどう扱えばよいのでしょうか。引っ越しも伴う転職に迷う相談から考えます。

1.辞めたいわけではないからこそ、決めにくい
相談者は、新しい職場で楽しく働き、チームにも仕事の意義にも満足しています。迷いを生んだのは不満ではなく、入社前に応募していた別の会社の選考でした。そちらは報酬や長期的な目標に合う点で魅力がある一方、引っ越しが必要で、まだ内定が出た段階ではありません。
この順番は大切です。今は、退職するかを決めるための材料がそろっていません。面接を続けて詳しく知ることと、今の会社を辞める約束をすることは別の段階です。先の決断まで一度に背負うと、会社への申し訳なさだけで、確かめる機会まで閉じてしまいます。
2.よい機会かどうかは、生活まで含めて比べる
コメントには、仕事内容だけで結論を出さず、移った後の暮らしを含めて見る意見がありました。
私なら、経験だけでなく、全体を見ます。どちらの仕事でも、貴重な経験は得られそうですから。 引っ越し費用、移住先の街、暮らしの質、昇給額が本当に引っ越すだけの価値をもたらすか、といったことを考えます。 もう一方の仕事は長期目標に合っているかもしれませんが、その会社の社風が好きになるか、自分の目標が何年も変わらないかは、まだ分かりません。 内定が出たら、給与や、今の会社でまだ3か月しか働いていないということだけでなく、あらゆる点を比べてから決めます。
給与が増えても、住まい、通勤、家族や友人との距離は変わるかもしれません。反対に、引っ越しの負担があっても、取り組みたい仕事に近づけることを大切にしたい人もいるでしょう。金額と気持ちを一つの点数にまとめるより、必ず満たしたい条件と、慣れるまで引き受けられる不便をそれぞれ書くほうが、比較の中身が見えます。

3.今の職場の実感と、次の職場への期待は情報の量が違う
あなたの人生ですから、自分に一番合うことをしてください。ただ、よさそうな、すでに知っている職場環境から、まだ知らない環境へ移るのだということは、心に留めておいてください。
今のチームが親切であることは、すでに一緒に働いて知っています。次の会社がよさそうだという印象は、これから確かめる必要があります。ただし、知らない点があることだけで候補を退けると、環境を変える選択はいつもできなくなります。未知の部分を消そうとするより、何が分かれば判断できるかを決めたいところです。
たとえば、配属後に最初に任される業務、相談相手、日々の働き方を質問してみる。長期目標に近いという説明も、実際にその経験を積む担当になれるのかまで確認します。会社名や職種名への憧れと、毎日の仕事への期待が一致しているかを確かめる作業です。
4.感謝は、残る約束以外の形でも示せる
研修や採用に時間を使ってもらったことを、軽く扱いたくない。その感覚まで捨てる必要はありません。ただ、感謝があることと、どのような条件でも残り続けることは同じではないはずです。選択が固まったら、契約や会社の手続きを確認し、必要な連絡と引き継ぎに向き合う形でも誠意は示せます。
考えるための例として、『今の会社への申し訳なさがなければ移るだろうか』『次の仕事の給与が同じでも、経験のために選びたいだろうか』と自分に尋ねてみる方法があります。どちらか一問で答えを決めず、希望と恩義のうち、何が判断を動かしているのかを見るための問いにします。

5.内定前の想像を、確かめられる条件へ変える
入社3か月という短さだけで、残るべきとも移るべきとも言えません。この相談では、今の仕事にも次の候補にも価値があるからこそ、選考を通じて情報を増やす意味があります。引っ越し後の暮らしと実際の担当業務が見えるまで、決断と情報収集を急いで一緒にしないことです。
まずは次の面接で聞きたいことを三つだけ残してみる。それに答えが出たとき、今の職場を選び直すのか、新しい環境へ進むのかを考えられます。感謝のある転職も、納得して残る選択も、その先にあります。