仕事・キャリア
優秀な同僚と比べて自信をなくす。自分全体への評価にする前に、仕事の一場面へ戻る
後から入った人の質問が鋭く、自分より早く仕事を覚えているように見える。感心する一方で、今までの自分は何をしていたのだろうと落ち込むことがあります。 新しい同僚と自分を比べる相談と、「可能性がある」と言われてきた自分に悩む投稿から、比較の中で何が苦しくなっているのかを考えます。相手を見ないようにするより、見えた違いを扱える大きさにするための記事です。

1.見えた実力の差と、まだ分からない評価を分ける
ある相談者は、入社して間もない新しい同僚の理解の速さを見て、自分が置き換えられるのではないかと不安になっていました。鋭い質問や仕事の覚え方に圧倒され、これまでの自分の取り組みまで足りなかったように感じている様子です。
ただ、相談の中で示されているのは、本人が見た同僚の振る舞いと、そこから感じた不安です。上司が相談者をどう評価しているか、担当を変えるつもりかは、同じ話からは分かりません。「あの人はよくできる」と「自分はもう必要とされない」の間には、まだ確かめられていないことがあります。
たとえば、一度の会議で質問が思いつかなかったことと、日々の担当業務を果たせていないことは別です。気になる一場面から自分全体への採点に広がっているなら、まず何を見てそう感じたのかに戻ってみると、次に確認したい点を絞りやすくなります。
2.「人と比べない」だけでは、次の行動が見えない
コメントには、自分の進歩に目を向ける提案がありました。
自分ならではの強みや、少しずつ進歩している部分に目を向けてみたらどうでしょうか。
そう言われても、強みがすぐに見つからない日もあるでしょう。無理に自分の長所を作って相手と釣り合わせるより、「以前は一人で終えられなかった作業ができた」「確認で戻る回数が減った」といった具体的な変化を見る方法があります。
相手から学ぶことも、比較とは切り離せません。ただ、相手のすべてに追いつこうとすると、何を練習すればよいかが分からなくなります。会議の前に資料をどう読むのか、分からない箇所をどう整理するのかなど、一つの手順に注目すれば、能力全体の勝負から離れて聞きやすくなりそうです。
たとえば「さっきの質問は、資料のどこから気になったのですか」と尋ねる例があります。「どうしてそんなに優秀なのか」では答えにくくても、具体的な場面なら準備の方法を教えてもらえるかもしれません。教わったやり方が自分に合うかを、次の作業で試すところまで小さくできます。

3.「可能性のある自分」を守ろうとして、試せなくなることもある
別の投稿では、若いころに期待されていたのに、失敗を恐れて安全な選択ばかりしてきたという悩みが語られていました。そのコメントに、こんな言葉がありました。
若い頃に「可能性がある」と言われることの落とし穴の一つは、それを使うものではなく、守るべきものだと思い始めてしまうことだと思います。
これは相談者への一つの見方であり、誰にでも当てはまる説明ではありません。ただ、できるはずの自分を傷つけたくなくて、慣れないことを避けた経験があるなら、考えるきっかけになりそうです。
初めての作業をすると、分からないことも、不十分な成果も表に出ます。その時間を「才能がないと判明する場」と見てしまうと、始める前から負けたように感じられるかもしれません。練習中の一回と、担当者として完成させる仕事を区別し、質問や確認を入れる場所を用意しておく方法があります。
たとえば、初めて作る資料を完成まで隠しておくのでなく、構成の段階で方向が合っているかを確かめる。未完成を見せることを、自分の価値の判定にせず、作業のずれを直す工程として扱う例です。比較で焦るほど、こうした途中の確認を飛ばしてしまっていないかも見直せます。

4.自分が伸ばしたいことと、期待される仕事をすり合わせる
同じ投稿には、欲しいもの自体を問い直す意見もありました。
それは本当に自分が欲しいものなのか、それとも周囲から望むべきだと思われているものなのかを考えてみる価値はあると思います。
周りに目立つ人がいると、その人が得意なことが、職場で唯一大事なことに見えるかもしれません。しかし、自分の担当で何が求められているかは、印象だけで決めずに確認できます。上司に聞くなら、安心させてもらうための「私は大丈夫ですか」より、次に伸ばす仕事を具体的に相談する形が考えられます。
- 現在の担当で、まず安定させてほしい仕事は何か。
- できている点と、修正が必要な点はどこか。
- 新しく取り組むなら、どの範囲から始めるか。
- 途中で確認を受けるタイミングをどこに置くか。
たとえば、発言の速さでは負けたと感じても、今の担当では、引き継ぎの漏れをなくすことが先かもしれません。必要な仕事と関係の薄い比較を続けるより、自分の担当で改善できることを一つ決めれば、翌日の動きにつなげやすくなります。
悔しさがあること自体を否定しなくてもよいでしょう。ただ、その気持ちを理由に休みを削り、すべての分野を急いで埋めようとすると、続けにくい計画になります。普段の仕事の中で試せる一つの手順から始め、負担と結果を見ながら調整する方法もあります。
5.相手に勝てたかより、一つ扱えることが増えたかを見る
優秀な人を前にして、すぐに自信を持てるとは限りません。それでも、見えたことと想像を分け、学べる手順を一つ選び、今の担当で求められることを確かめる行動は取れます。
次に同じ場面で落ち込んだときは、自分全体への結論を急がず、「具体的に、何ができるようになりたいのか」を一つ言葉にしてみてください。比較で終わっていた時間を、自分の仕事に戻る入口にできるかもしれません。