子育て
褒めると子どもが嫌がる。喜ばせる言葉を探す前に、声をかける量とタイミングを見直す
頑張っている姿がうれしくて褒めたのに、子どもが急にやめてしまった。応援したかっただけなのに、何を言えばよいか分からなくなることがあります。 褒めると不機嫌になる子の相談と、親子でふざける言葉遊びの投稿から、声かけの受け取られ方を考えます。特定の褒め方を正解にせず、本人が活動を続けやすい関わり方を探してみます。

1.褒め言葉の内容だけで、理由を決められない
ある相談者は、子どもが言葉で褒められると、取り組んでいたことをやめたり、不機嫌になったりすると書いていました。キックボードの練習中に励ましたときも、子どもは乗るのをやめたそうです。
親としては、諦めずに続けたことを認めたい場面です。ただ、親が応援のつもりで言ったことと、本人がその瞬間にどう受け取ったかは同じとは限りません。言葉の内容が嫌だったのか、大きな反応に戸惑ったのか、途中で声をかけられたくなかったのかは、この出来事だけでは決められません。
最初から「褒められるのが嫌いな子」と固定するより、いつ、どんな調子で声をかけ、直前には何をしていたかを見る方法があります。一つの反応を性格や心の問題の説明に広げず、具体的なやり取りとして考えたいところです。
2.何を言うかと、いつ言うかを分けてみる
相談へのコメントには、途中の声かけを控える提案がありました。
声をかけるのは終わった後にして、途中は目が合ったら優しく笑ってうなずくくらいで十分かもしれません。
褒めることを全部やめるか、上手な表現へ変えるかの二択にしなくてもよいと考えられます。今は言わない、声を小さくする、終わってから話すなど、関わり方には違う調整があります。
たとえば、子どもが集中して積み上げている途中で声をかけると、一度こちらを向いて応じることになります。本人はただ続きをしたかったのかもしれません。これは考えられる場面の例で、相談の子がそう感じたと分かったわけではありません。
試すなら、一度にすべて変えるより、まず途中は静かに見て、終わった後の反応を確かめる方法があります。嫌がらなかったからと、その方法をいつでも正解にする必要もありません。その日の様子や、本人がこちらに見せようとしているかを合わせて見ます。

3.見てほしい日と、そっとしてほしい日がある
似た経験をした人は、子どもが自分から反応を求める場面もあると書いていました。
たまには褒めてほしがったり、自分がやったことを写真に撮ってほしがったりしますが、本人のタイミングが大事なので合わせています。
いつも褒めてほしいわけでも、いつも注目されたくないわけでもない。そのような違いを残しておくと、親の側も「もう何も言わないほうがよいのか」と極端な結論にしなくて済みそうです。
たとえば、本人が「見て」と呼んだなら、今伝えたいことがあるのかもしれません。そのとき、「すごい」を先に用意するより、何を見せてくれたのかを一緒に見ることができます。「ここをつなげたんだね」と気づいた点を返したり、説明を聞いたりする例です。
一方、出来事が終わってからでも詳しく聞かれたくない場合はあり得ます。質問にすれば必ずよい関わりになるわけではありません。「どう思った?」に返事がなければ、答えを引き出すために何度も聞かず、今は話さない余地も残したいところです。

4.ほかの家庭で楽しい工夫も、そのまま合うとは限らない
別の投稿では、親の言葉をまねする子に肯定的な言葉を返す遊びが紹介されていました。コメントにも、ふざけながら支度する工夫がありましたが、その返信には別の結果が書かれています。
楽しいのは確かなんですが、うちでやったら、朝の着替えで10分もめていたのが、支度に1時間かかるようになりました(笑)。
このやり取りは、遊びに変える工夫が悪いという話ではありません。楽しいことと、今の用事を終えられることが一致しない場合もある、という違いが見えます。子どもの反応だけでなく、その日の目的や使える時間も条件になります。
- 途中なのか、終わった後なのかを確かめる。
- 本人が見てほしい合図を出しているかを見る。
- 言葉の量、声の大きさ、反応の強さを一つずつ調整する。
- 返事や喜ぶ反応を、本人に必ず求める形にしない。
親の喜びを伝えることと、子どもが喜ぶ姿を見せることをセットにしないのも大切だと思います。うれしくて声をかけても、本人は困るかもしれません。その反応まで否定すると、子どもは活動に加えて、大人が望む返事も考えることになります。
たとえば、嫌がった後に「褒めているのに、どうして怒るの」と説明を求めるより、「今は声をかけられたくなかったかな。続けていいよ」と一度引く例があります。理由を親が決めてしまわず、活動に戻れる余地を作るための言葉です。
親自身も、うれしいとつい大きく反応することがあります。一度上手くいかなかったからと、今までの関わりを全部否定する必要はないでしょう。次の一場面で声の量かタイミングを変え、本人が過ごしやすそうかを見てみる。その程度の小さな調整から始められます。
5.褒められて喜ぶことより、本人の活動を中心にする
目標を「褒め言葉を喜んで受け取ってもらう」にすると、声かけを変えても、親が期待する反応を探すことになりそうです。今していることを本人が続けやすいか、伝えたいことがあるときに話せるかへ、目を戻してみます。
次に応援したくなったら、言葉を増やす前に、今は見守る場面かを一度確かめる。喜びを伝えつつ、本人のタイミングも残す。その組み合わせを、その子との具体的なやり取りから考えてみてください。