本文へ移動

子どもが転校を嫌がる。説得する前に、一緒に決められることを探す

きいてみた編集部

引っ越しが必要だと分かっていても、子どもに「転校したくない」と言われると、どう説明すればよいのか迷います。新しい学校のよさを伝えても、今の友達と離れる寂しさは消えません。説得だけを目標にせず、決まっていることと、子どもも選べることを分けて考えます。

積み木を置いて遊ぶ子どもの手元

1.新しい場所のよさと、今を離れる寂しさは別の話

親には住まいや仕事、学校についての理由があっても、子どもには今日会う友達や、いつもの帰り道があります。「もっといい学校だよ」という説明は、新しい場所の魅力は伝えても、失うと感じているものへの答えにはならないかもしれません。

嫌がる理由を一つにまとめず、友達と離れること、授業が分からなくなること、休み時間に一人になることなど、気になる場面を聞いてみます。まだうまく説明できない場合もあります。反対の理由を全部解消してから引っ越す、という約束ではなく、分からない気持ちも話せるようにするための問いです。

2.知らせることと、納得してもらうことを分ける

引っ越しの伝え方について、こんな意見があります。

楽しみにするかもしれないし、戸惑ったり怖がったりするかもしれません。どんな反応でも、正直に向き合うことが大事だと思います。実際には無理なのに「今の友達にも毎週会えるよ」と言うなど、耳当たりのいい話でごまかさないほうがいいです。

決まったことを伝えた直後に喜ばなくても、説明が失敗したとは限りません。大人が決めたことと、子どもが感じることは別です。「引っ越すことは決まっている。でも、寂しいと思うのは当然だし、何が心配かは聞きたい」と両方を伝えられます。未確定の予定は、決まったこととして話さないようにします。

手作りの紙人形と色鉛筆

3.選べる準備があると、自分の生活の話になる

別のやり取りには、部屋作りを子どもと相談した経験があります。

うちの娘も変化に不安を感じるタイプなので、「何があったらうれしい?」と聞きました。答えは「ピンクの部屋」だったので、新居の部屋をピンクに塗りました。 そのうえで、本人から希望が出なかったことも進めました。学校を見に行ったり、少人数で先生と会ったり、ほかのご家族を家に招いたりしました。

この経験から考えられるのは、部屋を変えれば不安が消えるということではありません。転居全体は選べなくても、自分の居場所に関わる一部を選べる、という違いです。すべてを新しくするより、今の寝具や飾りをそのまま使いたい子もいるでしょう。買い物を前向きになるための条件にせず、本人の希望を聞く機会にできます。

4.新しい生活の準備と、今のつながりを残す準備をする

編集部の例としては、新しい通学路を一緒に確認する、学校に見学の可否を聞く、初日に困ったら誰に話せるか確かめる、といった準備があります。制度や対応は学校によって異なるため、実際に確認できたことを伝えます。「すぐ友達ができる」と結果を約束する必要はありません。

同時に、今の友達にどう知らせたいか、連絡を続けたい相手がいるか、引っ越す前に何をしておきたいかも聞けます。連絡方法は年齢や家庭の方針に合わせて大人同士でも相談します。新しい場所を好きになることと、前の場所を好きでいることは両立します。比べる気持ちをやめさせなくてよいのです。

玄関に置かれた歩き慣れた靴

5.笑顔で賛成することを、準備の完了にしない

親ができるのは、不安を完全になくすことより、変化の中でも話を聞き、生活を具体的に支えることです。引っ越した後も気持ちは変わります。最初に楽しそうだったから大丈夫、嫌がったからずっと難しい、と結末まで決めないようにしたいところです。

まずは「何が嫌なの?」だけでなく、「今の生活で残しておきたいことは何?」と聞いてみてください。転校を納得させる話から、変わる部分と残せる部分を一緒に考える話へ進めます。

← コラム一覧へ