子育て
子どものお手伝い、何から任せる? 自分で動くことを急ぐ前に、終わりが分かる一つの作業から
よその子が自分で片づける姿を見て、うちは何も任せていなかったと焦る。毎日声をかけていると、いつになれば言わずに動いてくれるのだろうとも思います。 お手伝いを始めたい家庭の相談と、子どもが自分から片づけた日の投稿から、何をどう任せるかを考えます。年齢ごとの達成表にするより、自分の家で一緒に試せる一つの作業へ落とし込んでみます。

1.ほかの子ができたことを、そのまま家の基準にしない
ある相談者は、自分の子より年下の子がおもちゃを片づけるのを見て、お手伝いをもっと早く始められたのではと感じたそうです。これから何をお願いすればよいか、ほかの家庭に尋ねていました。
人の家の一場面を見ると、普段から全部できているように見えることがあります。けれど、その子がどのくらい一緒に練習してきたか、どんな収納や声かけがあるかまでは分かりません。できた作業だけを持ち帰ると、自分の家で上手くいかない理由が子どもにあるように感じてしまうかもしれません。
比べるなら、子どもの早さより、作業の分かりやすさや環境に目を向ける方法があります。入れる場所が見えるか、扱う物が多すぎないか、大人がどこまで一緒にしているか。初めて任せるなら、その前提も含めて一つずつ試したいところです。
2.「片づけて」を、一つの動作に分けてみる
相談へのコメントには、日々の生活の一部分を挙げる人がいました。
自分のおもちゃや服をしまう、服を洗濯かごに入れることです。
「部屋をきれいにする」だと、どこから始め、どこまでやれば終わりかが曖昧です。一方、今脱いだ服を決まったかごに入れるなら、動作と終点が見えます。大きな家事を任せる前に、一つの流れの一部分を一緒にする考え方です。
たとえば、おもちゃが床一面にあるとき、「全部片づけよう」より「この積み木をこの箱へ入れよう」と範囲を示す例があります。最初は大人も一緒に動き、どの箱に戻すのかを見せます。これは声かけの例で、言い方だけで子どもがすぐ動くという意味ではありません。
作業を選ぶときは、何歳だからできるはずと決めるより、その子が今扱える物や動きを見ます。重い物、熱い物、刃物や機械を使う工程などは、家の状況に合わせて大人が安全を確認し、任せる範囲を分ける必要があります。

3.手伝ってもらう時間と、急いで終える時間を分ける
具体的な家事を紹介した人は、子どもが取り組んだ後の様子も書いていました。
頑張ってくれますが、寝た後に私がやり直すこともあります。
一緒に始めたばかりなら、大人が一人でするより時間がかかり、仕上げが必要な場合もあるでしょう。お手伝いを始めればすぐ家事が楽になる、と期待すると、親も子もがっかりしやすくなります。
たとえば、出かける直前に新しい作業を任せると、待てずに大人が全部引き受けたくなるかもしれません。時間の余裕がある日に一部分を試し、急ぐ日は大人がするという使い分けも考えられます。毎回同じだけ任せることを、最初の条件にしなくてもよいでしょう。
また、やり直す必要があるときも、子どもがした部分までなかったことにする必要はありません。「ここまで運んでくれて助かった。ここからは私がする」と、引き継ぐ範囲を言葉にする例があります。見た目を大人の好みにそろえる作業と、使用や安全のために必要な仕上げも分けて考えられます。

4.一度自分でできても、次から全部任せる約束にしない
別の投稿では、いつも声をかけていた子が、自分からおもちゃを片づけていたと書かれていました。親はうれしく思いながら、大きく反応して次にやらなくなることも心配しています。コメントには、ご褒美について次の意見がありました。
もちろん褒めるけど、1回できたからって大きなご褒美をあげる必要はないかな……
ご褒美の扱いは家庭によって考え方が違います。ただ、一度の出来事を、これから毎回できるという契約にしない視点は持てそうです。今日はできた、次の日は声をかけてほしい、という違いがあっても、その一回が消えるわけではありません。
- 任せる物と、戻す場所を具体的にする。
- 初めは一緒に行い、必要な手順を確かめる。
- 急ぐ日と、練習できる日で任せ方を変える。
- できた部分を見て、次に何を手伝うかを考える。
たとえば、自分から片づけた日に「明日から言わなくてもできるね」と先へ話を進めると、次の期待だけが残るかもしれません。「床が空いて通りやすくなったよ、ありがとう」と、その日に起きたことを伝える方法もあります。反応をどう受け取るかは本人を見ながら調整します。
次にできなかったときも、すぐ「できるのにやらない」と決めず、何が違ったかを見てみます。遊びが終わっていない、物が増えて入らない、別の予定へ急いでいたなど、前回とは条件が変わっているかもしれません。責める前に、今必要な手助けを小さく確かめられます。
親同士でも、どこまで子どもに任せるかが違う場合があります。一人は待ち、もう一人はすぐ片づける形だと、子どもにも終わりが見えにくくなります。今練習している一つの作業と、大人が担当する仕上げを共有することも、続けるための準備です。
5.自発的に動くことだけを、お手伝いの成果にしない
最初から言われずにできることを目指すより、家の中で自分が関われる部分を一つ知るところから始めてもよいと思います。声をかけられて一緒にできた日にも、分かったことや次に試せることは残ります。
今の家事から、終わりが見える一つの動作を選び、時間に余裕のあるときに一緒にしてみる。その後、手間が減ったかだけでなく、子どもにとって何をするかが分かりやすかったかを振り返ってみてください。