仕事・キャリア
上司が作ったAI画像に会社名の誤字。『出来が悪い』より先に伝えたいこと
上司が作った画像の品質が気になる。しかも、会社名まで違うまま顧客向けに配信された。どう指摘すればよいのでしょうか。デザインを担当する人の相談から、好みの違い、修正が必要な事実、社内ルールの確認を分けて考えます。

1.『AIだから嫌』と、間違いがあることを混ぜない
相談者は、顧客への発信やデザインを担当しています。上司が生成した画像を販促メールで配信し、目立つ会社名まで間違っていたと書いています。また、利用してよいツールについて会社から指示があり、それにも反しているのではと心配しています。これは相談者の説明であり、ここから社内の実際の調査結果までは分かりません。
それでも、会社名の誤字を直す話と、画像の雰囲気が好みに合わない話は分けられます。『全部ひどい』『AIを使わないで』だけでは、修正すべき箇所も、次の確認手順も曖昧です。まず、実際に見て確かめられる誤りを一つ取り上げることが、仕事の話を始める入口になります。
2.直せる箇所を具体的に示し、修正を提案する
私ならそのメールに返信して、「この画像、会社名の文字がおかしくなっています。修正版をお送りしましょうか?」と伝えると思います。ChatGPTを使ったと認めなくても済む逃げ道を用意できますし、さらに多くの人の目に触れる前に、目立たず修正できます。
この提案は、使ったツールを認めさせることより、出ている間違いを直すことに焦点を置いています。すでに送信済みなら、そのメールを取り消せるとは限りませんが、今後の掲載や次の配信に使う画像は確認できます。どこで使われているか、誰が修正版を承認するかまで聞けると、作って終わりになりにくくなります。
たとえば『画像の社名が正式表記と違っています。ウェブ掲載分も同じ画像なら差し替えを確認したいです』と伝えられます。指摘が正しいかを相手も確認でき、対応先も見えます。上司の能力や趣味への評価を添えなくても、必要な修正の話はできます。

3.ルールの相談は、品質の議論と別の確認先を持つ
AI利用の社内ルールについて届いたメールの問い合わせ先は誰ですか? その担当者に相談できませんか? 普段なら自然に問題になるまで待てばいいと言うところですが、あなたがグラフィックデザイナーなので、何らかの形で責任が回ってこないか心配です。自分を守るために、何かしておいたほうがよさそうです。顧客向けの発信を承認するルールや手順はありますか? 通常の承認を経ずに配信されたと示す根拠になるものがあるとよいのですが。
社内の利用ルールがどう定められているかは、正式な案内や担当者に確認する事項です。画像がきれいならルールに反してもよい、とも、見た目が気に入らなければ違反だ、とも言えません。品質の修正を上司と話すこととは別に、案内に書かれた窓口へ、事実を確かめる相談ができます。
その際、『上司はいつも指示を無視する人です』と人物評を広げず、案内の日付、配信物、確認したい取り扱いを伝えます。自分が見ていない入力内容や情報の流出まで推測で断定する必要はありません。判断に必要な範囲を、権限のある担当へ戻すための相談です。
4.次の配信で、誰が何を確かめるかを決める
同じ誤りを繰り返さないためには、『送る前に私に見せてください』の一言だけでは足りないことがあります。確認する時間が用意されず、送信直前に届くだけなら修正できません。社名、文章、掲載先、配信の承認を、いつ、誰が見るのかまで具体的にしたいところです。
提案の例です。『公開する前に、社名と文字を確認する時間を取れますか。画像の作成者にかかわらず、送信前の版を一度共有してください』。AIで作ったものだけに限らず、外へ出す制作物の確認として扱えます。担当者として作成したものと、確認していないものの範囲も、業務上共有しておけます。

5.指摘の目的を、相手に勝つことから修正へ戻す
上司への指摘は、言い方を工夫しても緊張が残るかもしれません。だからこそ、好みの批判、誤りの修正、ルールの確認を一度にぶつけず、それぞれの目的と確認先を持つことが助けになります。相手がどう反応するかを完全に決める方法ではありませんが、自分が何を依頼したかは明確にできます。
まず、誤字のある箇所と修正案を一つ示す。その後、次回の確認手順を相談する。画像の出来についての気まずい感想を、顧客に届ける内容を確かめる仕事の話へ変えるための順番です。