仕事・キャリア
改善案を何度も却下されて疲れた。提案の仕方を変えるか、力を使う場所を見直すか
仕事をよくしたくて提案しても、毎回そこで止まってしまう。まだ伝え方が悪いのか、それとも提案を求められていないのか。医療現場で改善を進められずに悩む相談から、承認が必要な条件を確かめることと、自分の努力の使い道を考えることを分けます。

1.提案が通らないことと、能力がないことを結びつけない
相談者は手術室の看護師で、業務の流れや仕組みを改善したくても、責任者のところで話が止まると書いています。医療現場では簡単に変えられないことも理解している一方、採用された一つの案さえ実現まで一年かかったと感じ、今の仕事が合わないのかと迷っていました。
提案が採用されなかった理由には、案の内容以外にも、権限、時期、変更に伴う確認などがあるかもしれません。上司の本心を決めつけたり、自分の能力全体の評価にしたりする前に、次に確認できることを絞りたいところです。
2.提案を望む職場かどうかも、判断材料になる
これ以上押しても、あなたのためにはならないと思います。職場によっては、改善することも、持っている能力を全部生かすことも求められていません。私も、よくしたいという気持ちを抑えるのはつらいと思います。でも、自分で考える人を求める職場ばかりではないんですよね。今より上の立場を目指すか、別の職場へ移って、成長できる場所を探してもいいのではないでしょうか。
コメントには、成長できる別の場所を探す案もありました。これは今回の職場に改善の意思がないと証明したものではありません。ただ、通らないたびに自分の説明力だけを磨けば解決する、と考え続けなくてもよいという視点にはなります。努力できる部分と、自分では変えられない判断の場を分けるためです。
一方で、一度却下された案があるだけなら、職場全体の方針を決めつけるのは早いでしょう。今回のように繰り返しているなら、次の案を増やすより、何が条件を満たせば検討に進むのかを一度尋ねるほうが、残る見通しを持ちやすくなります。

3.反対の理由を、次に動ける条件へ変えられるか
編集部の確認例なら「今回は内容、費用、運用上の確認、時期のうち、どこが難しいでしょうか」「どなたの判断が必要ですか」と聞く方法があります。上司を説得する技法より、何を満たせば先へ進むのかを知るための質問です。理由が分かれば、直す部分と待つ部分を分けられます。
小さく試す案を出す場合も、承認や安全確認を省く理由にはできません。特に元の相談は医療現場です。勝手に手順を変えることや、他業種の成功談を同じように実行することを、この記事で勧めることはしません。自分の職場で認められる提案の経路と範囲を確かめる必要があります。
4.提案を休むことと、必要な仕事を放り出すことは違う
求められていないなら、もう頑張らなくていいと思います。いつかその人が異動などでいなくなって、きちんと向き合ってくれる上司が来るといいですね。
求められていない改善案を出し続けることと、担当する仕事を適切に行うことは分けられます。提案を減らす選択を、自分の仕事への誠実さがなくなった証拠にする必要はありません。反対に、消耗しているからといって必要な報告までやめる、という話でもありません。
たとえば、改善案に使う時間をいったん区切り、今の仕事で必要なことと、今後伸ばしたい力を整理してみる。職場で使える機会があるか、別の担当や異動の選択肢があるかを調べる。すぐ退職するか、無期限に提案を続けるかの二択にせず、次の判断材料を集める時間へ変える方法です。

5.再提案するなら、前回と何が変わったかを残す
同じ案を同じ条件で出し直すなら、自分も相手も以前の応答へ戻る可能性があります。費用の見通しが分かった、担当する人が決まった、正式な検討の場ができたなど、前回から変わった条件を確認できると、再提案の目的がはっきりします。変化がないなら、今は出さない判断もできます。
最初に確かめたいのは、どう言えば必ず通るかではなく、この職場では何をもとに判断されるのかです。その説明さえ得られない状態が続くなら、努力の量を増やす以外の道も考えてよいでしょう。提案の採否だけに、自分の成長の可能性を全て預けないことが一つの区切りになります。