仕事・キャリア
昇給交渉を断られて、上司と会うのが気まずい。次の面談で何を話せばいい?
思い切って希望額を伝えたら、返ってきた答えはずっと低かった。厚かましいと思われたのではと、仕事中も恥ずかしさが残る。責任が増えたことを理由に昇給を求めた相談から、交渉の結果と、その後の仕事の話をつなぐ方法を考えます。

1.断られたのは希望額で、自分の全体ではない
相談者は入社から一年未満で、先輩の専門業務をかなり引き受けていることを理由に昇給を求めました。会社側は、まだその水準に上げる実績が足りないと考えているようだと受け止めています。その後は上司とすれ違うたびに、自分の価値を買いかぶった人だと思われていそうで恥ずかしいといいます。
会社の回答から確認できるのは、提示した条件では合意しなかったことです。上司が毎日その話をどう考えているかまでは分かりません。気まずさを消すために『あんな希望を出してすみません』と何度も戻ると、責任と待遇の話が、お願いしたことへの謝罪に置き換わってしまいます。
2.増えた仕事を引き受ける条件は、後からでも整理できる
唯一の失敗は、仕事が増える前に交渉しなかったことです。 特定の役職と業務のために採用されたのですから、他の人、まして先輩の仕事まで代わるなら、報酬があって当然です。私なら頼まれた時点で上司の目を見て、「では、私の報酬はどう変わるのでしょうか」と聞きます。 先に実績を示す必要があると言われたら、「分かりました。では期間を決めましょう。この上級の仕事を3か月担当して、十分こなせると示せたら、給料を何%上げるということで。人事も宛先に入れて、みんなに明確になるようメールで確認しませんか」と言います。
このコメントの『唯一の失敗』という言い方まで、そのまま相談者の責任にする必要はありません。入社時には業務がどこまで増えるか分からないこともありますし、評価の手順は会社ごとに違います。ただ、仕事の範囲が変わった時点で、何が評価の対象になるかを話すという発想は使えます。
すでに引き受けているなら、まず以前と今の担当を比べます。件数が増えたのか、自分で判断する範囲が増えたのか、他の人へ教える役目が加わったのか。『先輩の代わりを頑張っている』から一歩進めて、変わった責任を具体的に説明できるようにする作業です。

3.『もっと成果を』で終わらせないための質問
ただ、今後、昇給や昇進、責任が増える話が出たら、給料がどのくらい上がるのか、仕事の話として淡々と聞きましょう。 年次の昇給が希望や期待に届かないなら、評価面談で、自分には高い目標を持っていて、社内でも特に成果を出す人として認められたいと伝えてください。そのために何を期待しているのか聞くんです。つまり、どうすれば仕事ぶりや成果を改善して、会社にとって特に価値のある社員だと認めてもらえるのか、ということです。自分の言葉で伝えてください。
目標を聞くときには、仕事量を際限なく増やす約束にしないことも大切です。何ができればよいかだけでなく、誰がいつ確認し、どの評価に使うかまで聞けると、話が具体的になります。努力すれば必ず希望額になるという意味ではありませんが、会社が求めていることと自分の理解が合っているかは確かめられます。
たとえば『専門業務を単独で担当できれば、次の評価で職位の見直し対象になりますか』『今の役割のままでは変わらないなら、どの役割への移行が必要ですか』という問いです。金額の再提示だけに戻らず、会社が評価している単位が、成果なのか役割なのかを知るために使います。
4.次の面談は、短い確認から始めてもよい
伝え方の例として、『先日は条件を説明いただきありがとうございました。今後の働き方を考えたいので、今の担当と、次の評価で確認する点をそろえたいです』と始められます。希望額を撤回する話にも、すぐに再交渉する話にもせず、認識を合わせる面談として持ちかける方法です。
会社の予算や役職の枠で、当面変えられないと分かる場合もあるでしょう。その説明を聞いてなお今の負担では続けにくいなら、業務の調整や別の職場を調べる話へ進めます。回答のないまま、追加の仕事をすべて将来の昇給への投資と考えて引き受け続ける必要はありません。

5.気まずさが残っていても、必要な確認はできる
交渉が希望どおりにならなかった後も、仕事の関係は続きます。普段の挨拶や連絡を続けながら、責任の範囲と評価について必要なことを確認してよいはずです。相手にどう思われたかを推測するより、何が変われば次の話ができるかを聞くほうが、これからの選択に使える情報になります。
まず、増えた責任を一つだけ具体的に書き、その責任が今の職位でどう扱われるのかを質問してみる。希望を言ったこと自体を恥じて終わらせず、働く条件の話として続けるための一歩になります。