子育て
初めて親になる前に、何を分担しておく? 「手伝うよ」を暮らしの予定に変える話し合い
初めて父親になるのが不安で、どう支えればいいか分からない。夫婦で交代すれば育児と仕事を回せそうだけれど、休む時間は足りるだろうか。出産前の二つの相談から、気持ちだけで終わらない準備を、家事と一日の予定に絞って考えます。

1.支えたい気持ちを、今日できる仕事へ移す
初めて父親になる相談者は、不安とともに、妻をどう支えるのがよいか尋ねていました。赤ちゃんが生まれてから自然に役割が分かると期待するより、今の生活の中で、すでに必要になっている用事を一緒に確かめることから始められます。
ここで扱うのは、出産や赤ちゃんのお世話の医学的な手順ではありません。食事の用意、洗濯、買い物、連絡といった生活上の担当です。相手が困ったら頼む形だけでは、何を頼むか考えて説明する仕事が片方に残ることもあるため、担当を具体的にする意味があります。
2.頼まれるまで待たない、を曖昧な期待にしない
頼まれるまで待たず、自分から動くパートナーになりましょう。奥さんが疲れ切っていたら、洗濯機を回してお茶を入れるとか。
短いコメントですが、支えることを具体的な家事へ落としています。ただ、「気を利かせて動く」だけを基準にすると、何が終われば助かるのかが二人で違う場合もあります。察する力の勝負にせず、普段どこまでを一つの仕事としているか話すことが準備になります。
編集部の例なら、洗濯を担当する日は、回すだけでなく、干す、しまう、必要な物が足りるか見るところまで確認する。全ての家事を細かく採点するためではなく、途中で別の人へ戻ってくる用事を減らすためです。今から一つ任せて、必要な情報を共有する方法もあります。

3.交代で働ける予定に、休む時間も入っているか
その計画だと、ふたりとも育児をフルに担当したあと、間を空けずに仕事へ切り替えることになりますよね。少なくとも片方はフルタイム勤務ですし。疲れたときに休む時間、夫婦で相談する時間、何もしない時間がほぼありません。
別の相談者は、夫が日中に赤ちゃんを見て、妻の帰宅後に交代して働く予定を立てていました。コメントは、空白なく担当を埋められることと、その生活を続けられることは違うと指摘しています。外から預け先の要不要を一律に決めるより、この予定で誰がいつ休めるかを見る視点です。
一日の表を作るなら、仕事と育児の枠に加えて、食事、家事、移動、眠る時間、二人で相談する時間も置きます。重なる枠が見つかれば、どちらかの頑張りで埋める前に、仕事の条件や頼れる人を含めて再検討する必要があります。表が埋まること自体を完成にしないのが大切です。
4.前提が変わったときの、相談の仕方を決めておく
まずは、ご主人に今から家のことをもっと担ってもらう必要があります。それから、仕事が夜だけでも、在宅勤務と赤ちゃんのお世話を両方こなすのは厳しいと思います。友人の旦那さんも、育休をなるべく長く使うために、1日数時間なら仕事もできるだろうと思っていました。でも、赤ちゃんを見ながらだと、短時間の在宅勤務すら両立できないと、すぐに思い知ったそうです。
この体験談だけで、交代勤務の計画が全て無理だとは言えません。一方で、予定どおり働けるはずという前提には、まだ確かめられていない部分があります。生まれる前の計画は約束の最終版ではなく、必要に応じて話し直すための出発点として持つほうがよさそうです。
たとえば「仕事中に対応が重なる日が続いたら、勤務と預け先を相談し直す」と決めておく方法があります。相談を始めることが相手の能力を責める合図にならないよう、生活が回らないときは計画を見直す、と二人で共有しておくためです。

5.準備の成果は、完璧な分担表よりも話し直せること
頼れる人や利用できる制度は家庭ごとに違い、仕事の条件も一様ではありません。紹介した投稿の勤務時間や支援策を、そのまま日本の家庭の標準にすることはできません。自分たちが実際に使える条件を確認し、その範囲で予定を考える必要があります。
最初にできるのは、今ある家事を一つ引き受けることと、一日の中に休息の枠を置いてみることです。支えたい気持ちを、相手に毎回指示してもらわなくても進む仕事へ変える。そのうえで、難しければ二人で変更できることが、初めての生活に向けた準備になるのではないでしょうか。