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デイビッド・ブースの『Stay Calm』を読んで学んだ、投資の8つの教訓

もやもやしたオキアガリコボシ

ディメンショナルの創業者、デイビッド・ブースの『Stay Calm』を読み終えました。

ディメンショナルという運用会社の名前は、投資の話題やベン・フェリックスの動画などで聞いたことがありました。ただ、自分はずっとVT、VTI、VXUSといったバンガードのファンドに投資していたので、詳しく調べたことはありませんでした。

それでも、ここにいる皆さんと同じように、知識を増やして、より落ち着いて方針を守れる投資家になりたいと思い、この本を手に取りました。

印をつけた箇所から、8つの教訓をまとめます。何か参考になるものがあればうれしいです。

1.市場全体を買うことは、人間の創意工夫に賭けること

市場全体を保有するのは、何千もの企業で働く何百万人もの人が、製品を改善し、費用を削減し、想定どおりにいかなければ対応を変えていくと信じることです。大恐慌や戦争、感染症の世界的流行を経ても、長期的には市場がプラスのリターンを生んできた理由はそこにあります。企業も従業員も向上心を持って努力し続けるので、その企業に投資する側にもリターンが生まれる、という考え方です。

自分で商売や副業をしたことがあれば、作業を改善したり、新しいお客さんを増やしたり、既存のお客さんに別の商品も買ってもらったり、新商品を作ったりする感覚は、小さな規模でも分かると思います。

それをFAANGのような巨大IT企業の規模に広げて考えると、成長の仕組みが腑に落ちます。

2.結果ではなく、判断の質で自分を評価すること

金融の研究者であるケン・フレンチが、自分の子どもにも伝えていることだそうです。私も自分に言い聞かせています。景気、政府の判断、経営者の選択、四半期決算の発表、物価の上昇など、自分ではどうにもできないことがたくさんあります。

自分で決められるのは、自分の行動と判断です。よい判断をしても、期待と逆の結果になることはあります。たとえば、火曜日にVTへまとまった数百万円を一括投資したら、水曜日に市場が急落する、といったことです。

投資について交わされている知識を学び、ジョン・ボーグルの『The Little Book of Common Sense Investing』やJLコリンズの『The Simple Path to Wealth』などの本を読み、ロブ・バーガーのような人の動画も見たうえでの判断なら、その時点では十分に筋が通っていたはずです。

それでも、自分では動かせない要因によって、結果が予想と違うことがあります。大切なのは、何を根拠にその選択をしたかを見ることです。

皆さんの知識や、自分より経験豊富な投資家の助言を踏まえて行動したのなら、選択は正しかったのであり、それが表れるまで時間と忍耐が必要だ、ということです。

ちなみに、この考え方は投資以外にもいろいろ応用できると思います。

3.市場の「予測」の多くは、ただの願望であること

本来の予測は、天気予報のように、実績があり、確度の高いモデルに基づくものです。それでも外れます。この基準で金融ニュースを見てみると、来年のダウ平均やS&P500の水準、次に急成長する5銘柄といった話の多くが、分析というより願望に聞こえてきます。

4.自分で決められることと、備えて対処することを分けること

私には特に役立った考え方です。貯蓄に回す割合、費用、税負担を考えた運用、分散、そして自分の行動は、自分で決められます。たとえば、SBI証券や楽天証券などの取引アプリをスマホから消す、相場を見ない、VTIとVXUSの組み合わせではなくVTを選んだことを考えすぎない、なじみのある米国株を重視するあまりVTIの比率が少し高くなっていることに神経を使いすぎない、といったことです。

一方、不況や金利の変動、暴落などには、自分で動かそうとするのではなく、現金の余裕を持つ、固定費を抑えるなど、備えて対処します。

5.勝ち組として見えているのは、生き残った企業であること

経済学者のユージン・ファーマは、Facebookを除くFAANGが、2000年以前から競争していた何百ものIT企業の中から生まれ、競合の多くは消えていったと指摘しています。本ではこう語っています。「当時、どの企業が勝つかを選ぼうとしていたら、今ごろ手元には何も残っていないかもしれません。今、私たちが見ているのは、基本的には結果として勝った企業なのです」

友人が「この株を買って、これだけもうかった」と話すとき、生き残った成功例だけを見ている影響がどれほど大きいか、思い出させてくれます。伸びなかった何百もの企業の一つを選んでいたら、結果はまったく違ったはずですし、実際にはそうなることも多いわけです。

6.人には記憶があっても、市場には記憶がないこと

「社内でよく言われる言葉に、『人には記憶がある。市場にはない。それはよいことだ』というものがあります。市場は先週や去年に何が起きたかを覚えていません。1分前のことすら覚えていません。価格は、今起きていることと、これから起きると人々が考えることによって変わります」

7.計画は、安心して過ごすために立てること

投資を始めたばかりの人が陥りやすいのが、よい計画を立てた後も、さらに最適なものにしようと手を加え続けることです。しっかりした資産計画は、毎日アプリを開いて相場に気分を振り回されずに済むように立てるものだと、思い出すことが大切です。皆さんから得た助言や読んだ本をもとに立てた計画を信じ、ボーグルの言うように、決めた方針を貫くということです。

8.面白いことと、投資判断に役立つことは違うこと

ここにいる多くの方と同じく、私自身も市場や経済、金融の本がとても好きなのだと気づきました。

ただ、投資を始めて間もない頃には、経済誌『エコノミスト』の購読をやめようかと考えたこともあります。世の中の動きに敏感になりすぎて、定期的に積み立てる習慣に影響しそうだと感じたからです。でも、やはりニュースを読んで状況を知ること自体が好きなので、読み続けることにしました。

ブースも相場解説や金利の決定などを面白いと感じる一方、そのほとんどは長期的な判断の改善には役立たないと認識しているそうです。金融ニュースが娯楽として面白いことと、資産の管理や投資判断に有益なことは、同じではありません。

本の中で彼が投げかけている問いは、「どんな情報を聞いたら、実際に長期の運用方針を変える必要があるのでしょうか」というものです。

毎日見聞きするニュースのうち、その基準を満たすものは、実際にはそれほど多くありません。

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