本文へ移動

今のノキアを考えるなら、もうスマートフォンの話ではありません

おおきなコンニャク

ノキアが気になったきっかけは、NVIDIAによる10億ドルの出資でした。出資そのものより、「NVIDIAには、ほかの投資家が見えていない何が見えているのか」という、ごく自然な疑問が浮かんだんです。

多くの人が覚えている昔のノキアのイメージは、もう何年も前から実態と合わなくなっています。今は、光通信、IPルーティング、光ファイバー、クラウドのネットワーク、携帯通信インフラを手がける会社です。そこへ最近、AIも無視できない要素として加わってきました。

みんな、AIモデルを作る会社やGPUを売る会社に目を向けています。でも、何万個ものGPUをつなぐためのインフラは、あまり話題になりません。AIの計算用クラスターには、高速な光ネットワークやスイッチ、データセンター間の接続が大量に必要です。ノキアは、その分野で着実に存在感を増しているんですよね。経営陣も、大手クラウド企業やAIデータセンターからの需要が伸びていると繰り返し話しています。Infineraの買収も、光通信での立場を強めています。

もう一つ気になるのが、ベル研究所です。四半期決算の数字に直接出てくるわけではないので見落とされがちですが、今も業界屈指の研究機関です。ノキアは欧州のHexa-XやHexa-X-IIを主導し、商用化の何年も前から6Gの標準作りに関わってきました。すぐに利益を生む話ではありませんが、この先10年で重要になるかもしれない技術へ、今も投資を続けていることは分かります。

弱気になる理由もはっきりしています。通信会社の設備投資は弱く、ノキアの成長も一直線ではありません。競争は激しく、AI向けネットワークは、まだ事業全体の中では比較的小さい分野です。

割安株への投資という観点で気になるのは、こうした材料が、もう全部株価に織り込まれているのかという点です。その可能性は十分あります。

一方で、AI向けネットワーク、光通信インフラ、データセンター間接続が、これから事業の中でもっと大きな割合を占めるなら、数年後のノキアは、今みんなが分析している会社とは違う姿になっているかもしれません。そこがNOKに強気になれる筋書きです。

私が見極めたいのは、まさにそこです。一時的なAIの追い風を受けている、成熟した通信機器会社にすぎないのか。それとも、もっと大きく変わっていける会社なのか。

コメントを読み込んでいます…