モノの誕生日を記録して、買い替え欲を落ち着かせる
新しい機能が出るたびに「買い替えれば暮らしがよくなる」「最新機能がないと困る」と、消費をあおるような言葉が飛び交っていますよね。哲学者のハンナ・アーレントは、こうした考え方のせいで、長く使えるモノまで消耗品のように扱われてしまうと批判していました。
10年ほど前から、パソコンの中に「モノの誕生日」というメモを作って、新しく買ったものと日付を記録しています。買ったものが古くなったら「もう買い替え時」と考えるのではなく、長く使えていること自体を、買うときの判断や、その後の手入れがよかった証拠だと思うようにしています。最新のスマホやパソコンが欲しくてうずうずしたとき、そのメモを見ると「これ、こんなに長く使えてるんだ」とちょっと誇らしいんです。使えなくなったり、物欲に負けて買い替えたりしたら「卒業したモノ」の欄に移して、何年使えたかも記録。次は前より長く使おう、と目標にしています。
このメモのおかげで、モノへの見方も変わりました。長く使えること自体に価値を感じるようになって、ブーツが今年もまだ履けるとか、Kindleが10年以上動いているとか、そういうことが年々うれしくなります。壊れたときも、すぐ買い替えるのではなく、直せないか調べるようになりました。電子機器のバッテリー交換、服のファスナー修理、ブーツの靴底の張り替えなどです。新しいものが欲しくなったら、今あるものがまだちゃんと役に立っていることや、これまで大切に使ってこられたことを思い出します。買うときも、どれくらい長く使えそうか、修理できるかを前より考えるようになりました。