テンセントの7,700億パラメータAI、自社テストでも競合に4割負ける結果をどう見ますか
テンセントは2026年8月28日、Hy4 previewをApache 2.0ライセンスで公開しました。学習済みの重みも含まれ、商用利用も可能です。複数の専門モデルを使い分けるMoE方式で、総パラメータ数は7,700億、1トークンの処理で使うのは約490億です。一度に扱える文脈は100万トークン超とされています。
私が気になったのは、テンセント自身の評価結果です。社内の専門家163人が、203件のエンジニアリング課題を、モデル名を伏せて評価しました。最も近い競合のKimi K3に対しては、勝ちが51.2%、引き分けが7.9%、負けが40.9%でした。開発元が自分で行ったテストでも、10回に4回は負けています。差についてのテンセント自身の表現も「わずかに上回る」です。私が確認した段階ではArtificial Analysisへの掲載はまだなく、ArenaのWeb開発分野での順位も、人間ではなく評価用モデルが投票するAutoEvalによるものでした。どちらも独立した裏付けとは受け取れないと思います。
Tencent CloudのHy4 previewの公表料金は、100万トークン当たり入力0.834ドル、出力2.501ドルです。OpenRouterでテンセント自身が提供するHy3の通常料金は入力0.132ドル、出力0.528ドルなので、最上位モデルの入力料金は前世代の約6倍です。
決算に関わってくるのは、その裏側にある費用です。テンセントが2026年8月12日に発表した4〜6月期の売上高は2,048億元で前年同期比11%増、非IFRSベースの純利益は684億元で9%増でした。設備投資は前年同期の191億元に対して528億元です。フリーキャッシュフローは138億元のマイナスでしたが、計算資源の調達に対する前払いを除けば376億元のプラスだと会社は説明しています。学習済みの重みを無料公開する判断も、この支出の中にあります。それが有料利用を呼び込むのか、それとも他社に渡してしまうのかは、1四半期だけでは判断できません。
私はテンセント株を直接持つのではなく、指数連動型の商品を通じて投資しています。8月31日時点のCNQQに占めるテンセントの比率は8.43%でした。指数の組入比率を決める際に1銘柄を10%までとするルールなので、その水準までは約1.5ポイントです。投資対象の範囲で比較するならCQQQが近く、こちらの指数は中国本土上場銘柄を、本来の比率の25%で組み入れています。