家計・お金
使わない物を手放せない。買ったお金への後悔と、これからの暮らしをどう分ける?
買ったままの趣味の道具を見るたびに、お金を無駄にした気がする。手放したら失敗を認めるようで、かといって使う気にもなれない。そんなとき、持ち続けることは後悔を減らしてくれるのでしょうか。買い物の後悔と、持ち物を手入れする楽しさについての二つの投稿から考えます。

1.使っていない物が、自分への採点になってしまう
相談者は、以前まとめて買った趣味の道具が何年も使われず、目に入るたびに落ち込むと書いています。返品できる時期も過ぎ、買ったときの期待だけが残っている。ここで苦しいのは、物の量に加えて、過去の自分への評価まで毎日突きつけられることではないでしょうか。
「使わなかった」は持ち物についての事実でも、「だから自分は何も続けられない」は人全体への評価です。片付けを始める前に、この二つを一緒にしなくてもよいと考えたいところです。処分の決断ができない日にも、人格の結論まで出す必要はありません。
2.後悔を認めることと、自分を責めることを離す
たとえば昔買った趣味の道具を見て気分が沈んだら、「後悔してるんだな」と自分の感情を言葉にします。後悔していることと、「自分はだめだ」と決めつけたり、一度の後悔で次も失敗すると決めつけたりすることは別です。後悔は本物の気持ちですが、それで人としての価値が決まるわけではありません。
この区別が役立つのは、後悔そのものを消そうとしなくて済むからです。「高かったのにもったいなかった」という気持ちが残ったままでも、次にその物をどうするかは考えられます。すっきりした気分になってからでなければ動けない、と待つ必要はないのです。
たとえば、道具を一つだけ机に出して短く使ってみる。楽しさより義務感が強ければ、それも判断の材料になります。以前興味を持ったことまで間違いにせず、今も使いたい物なのかを確かめる試し方です。これは編集部の提案で、相談者が実行した結果ではありません。

3.手入れが楽しみになる物と、罪悪感だけで残す物
そうですね!何かを買う前に、ちゃんと手入れして長く使いたいと思える物か、自分に問いかけます。物が増えるほど、手入れや維持に時間も手間もお金もかかります。 持ち物を手入れする時間は、今あるものへの感謝にもつながります。車を掃除したり、革靴やバッグにオイルを塗ったり、服にアイロンをかけたり。手をかけていると、持っているものを大切に思えるんです。
もう一つの投稿では、節約を安く買うことだけでなく、持っている物を大事に扱うこととして捉えています。ただ、この考えを「買った以上、必ず使い切るべきだ」という義務にすると、最初の相談の苦しさに戻ってしまいます。
分かれ目は、手をかける時間をこれからも持ちたいかどうかです。使う予定がなくても、眺めることや思い出に意味があるなら残す理由になります。一方、見えない場所に移して存在を忘れたいだけなら、保管を続ける負担も含めて考えてよいでしょう。
4.売る、譲る、残す。それぞれの手間も比べる
使っていない物を売れば、少しお金が戻るし、目に入らなくなります。
売ればお金が戻る可能性はありますが、撮影や連絡、梱包にも手間がかかります。「元の値段に近く売れるまで」と条件を厳しくすると、手放すための作業が新たな宿題になりかねません。売却額だけでなく、今の自分が使える時間も判断に入れたいところです。
編集部の例として、まず一品について、今月使う予定があるか、残す場所があるか、出品の手間を引き受けたいかを書き出してみます。家族の共有物なら勝手に処分せず確認する。迷う物には見直す日を決める。全部を一度に片付けるより、判断の範囲を狭める方法です。

5.取り戻したいのは、お金だけなのか
持ち続けても、過去の出費そのものが戻るわけではありません。ただし、手放せば必ず気が晴れるとも限りません。空いた場所がほしいのか、趣味を再開したいのか、自分を責めるきっかけを減らしたいのか。今取り戻したいものを先に決めると、選ぶ方法も変わります。
今日は一つ使ってみるだけでも、売る手間を調べるだけでも十分です。残すか捨てるかで自分を採点せず、これからの暮らしにその物とどんな関係を残したいかを考える。それが、買った日の後悔から少し先へ進むための問いになりそうです。