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家に食材があるのに「食べるものがない」。買い足す前に、献立を一つ決めてみる

きいてみた編集部

冷凍庫はいっぱい。乾麺も缶詰もある。それなのに夕方になると、今夜は何もない気がしてスーパーへ寄ってしまう。食費を見直したくても、買い物を我慢するだけでは、ごはんを用意する大変さは残ります。 家の食材を使った人たちの投稿には、安く買う工夫だけでなく、すでに買ったものを食卓に出す工夫がありました。コメントを手がかりに、在庫と献立の間で何が止まっているのか、考えてみます。

弁当箱に入れたおにぎり

1.いっぱいなのに、今夜のごはんが見えない

冷凍庫や食品棚のストックを、毎食一つは使うという家庭の投稿がありました。何も買わないと厳密に決めるのではなく、生鮮食品や、料理に必要な材料は買い足すそうです。その投稿に、こんな反応が寄せられています。

食品棚も冷凍庫も文字どおりいっぱいなのに、家に食べるものがないんです……。

少し矛盾した言葉ですが、夕食を考える場面を思い浮かべると分かります。棚に食材があることと、疲れた自分が今から作れる一食があることは、同じではありません。豆の缶詰があると分かっていても、何に合わせればよいか決まらなければ、その日は使いにくいままです。

ここで足りないのは、食材の量だけとは限りません。使う順番、合わせるもの、作る手間の見通しがないために、店に行って一から献立を考えたくなる場合もありそうです。節約しようと自分に言い聞かせるより、家にあるものから一食を思い浮かべられるようにする。そのほうが取り組みやすいかもしれません。

逆に、保存状態を確かめたら使えるものがほとんどなかった、という日もあるでしょう。在庫が多いように見えるだけで、十分な食事が用意できるとは決められません。まず見るのは棚の埋まり具合ではなく、実際に使える食材です。

2.使い切るには、食材の名前を献立に変えるひと手間がいる

別の投稿では、家にあるものを使って一週間の食事を考えた人がいました。そこには、食品棚の整理について、こんなコメントがあります。

食品ロスを減らし、何があるか見つけやすくするだけでも変わりますよね。家にあるもので献立を考えるのが一番です。

在庫を一覧にするのはよい出発点です。ただ、長いリストを作って終わると、夕方にまた同じ場所で迷うかもしれません。「うどん、野菜、卵」と品名を確認した後に、「今日は野菜とうどんを使う。足りなければ卵だけ買う」と一段具体的にしておくと、買い物で決めることが少なくなります。これは家庭で試すなら、という例です。

一週間分をきっちり決める必要もありません。予定が変わりやすい家庭なら、明日の夕食だけでも十分です。全部を把握しようとして疲れるより、使い忘れそうな一つを選んで、いつ食べるかまで決めるほうが続けやすいこともあるでしょう。

ここで考えたいのは、誰がそのひと手間を担っているかです。家族がそれぞれ買い足すのに、在庫の確認と献立だけ一人が受け持っていたら、管理の仕事は増えます。「これがあるよ」と伝えるだけでなく、「明日はこれを使う予定だから、重ねて買わないでおこう」と共有できると、買い物と料理がつながります。

ノートの上に置かれた鉛筆

3.値下げ品が助かる日と、仕事を増やしてしまう日がある

値下げ食材をもとに作り置きを考える投稿には、買う量を絞る工夫もありました。

次の数食分だけ買っておいて、次に来た時にはちょっといい食材も値下げされているかも、と期待しています。

安くなっているものをすべて買うのではなく、近いうちに使う量を選んでいるところが参考になります。値札を見た瞬間には得に思えても、帰宅後に小分けし、調理し、置き場所を作る仕事が生まれます。その日の自分にそこまでできる余裕があるかは、価格とは別に考えたい点です。

同じ投稿には、調味料などを買い置きする人の声もありました。

お肉が安くなった時も、こうした食材があれば献立を作りやすいです。

買い置きが料理を助けるかどうかは、量よりも、自分が普段作るものと結びついているかで変わりそうです。よく使う味付けがあれば助かる一方、安いからと初めての調味料を増やすと、その使い方から調べることになります。ストックを増やす前に、すでにあるもので何を作っているかを振り返ってみてもよいでしょう。

買い物の回数を減らすほうが楽な人も、必要な分をこまめに買うほうが楽な人もいます。通える店、持ち帰れる量、家族の予定が違う以上、どちらかを正解にする必要はありません。買う日にできる作業まで含めて、自分の暮らしに収まる量を考えることが大切です。

職場のテーブルに置かれたシンプルなカップ

4.食費ゼロより、次の一食を楽にするところから

家にあるものだけで何日過ごせるかを試すのは、楽しめる人にはよいきっかけになります。ただ、買わないことを目標にしすぎると、必要な食材まで我慢したり、料理をする人に無理が集まったりしそうです。元の冷凍庫の投稿でも、足りない材料は買い足していました。

まずは、買い物に出る前に次の順番で一食だけ考えてみます。大がかりな在庫表や、新しい収納用品を用意しなくても始められます。

  • 保存状態と期限を確かめ、近いうちに使う食材を一つ選ぶ。
  • その食材で、普段作っている料理を一つ思い浮かべる。
  • 足りない材料と、すでに家にある材料を分ける。
  • 作る予定が変わったら、無理に消費せず、保存方法と状態を改めて確認する。

やってみた後は、使い切った品数だけでなく、夕食を考える時間がどうなったかも見てみたいところです。食費が少し下がっても、調べ物や調理が大幅に増えてつらいなら、方法を小さくしてよいはずです。冷凍庫全体ではなく一段だけ、毎日ではなく週に一食だけ、という始め方も考えられます。

食べ切る工夫と、安全に食べられるかの判断は分けます。消費者庁は、食品に表示された保存方法に従うこと、消費期限を過ぎた食品は食べずに廃棄することを案内しています。保存状態の分からないものや傷んだものを、節約のために無理に食べる話ではありません。

参考:消費者庁「家庭での食品ロスを減らそう」 https://www.no-foodloss.caa.go.jp/eating-home.html /「家族みんなで、冷蔵庫のお片付けをしよう」 https://www.no-foodloss.caa.go.jp/topic_apr.html

5.買い足す前に、あるものの出番を一つ決める

「あるのに食べるものがない」という感覚を、無駄遣いの一言で片付けると、毎日ごはんを用意する難しさが抜け落ちます。何があるか分かり、何を作るか決まり、その日に作れる余裕があって、初めて食材は食卓に出てきます。

今回の投稿から考えたいのは、もっと買いだめする方法より、すでに買ったものの出番を決める方法です。使えそうなものを一つ選び、作り慣れた献立に結びつけ、足りない分だけ買う。次の一食が少し楽になったかを確かめながら、自分の暮らしで続くやり方を探してみてください。

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