家族との距離
結婚式前の家族の送迎、断ってもいい?準備を一人で抱えないために
結婚式に来てほしい家族から、直前に遠方への送迎を頼まれた。断ると冷たく思われそうでも、準備や仕事の予定を動かすのは簡単ではありません。招待したい気持ちと、自分が送迎まで引き受けられるかを分け、無理のない手配の考え方を整理します。

1.来てほしいことと、自分が迎えに行けることは違う
身内の式ほど、家族のためなら何とかしたい気持ちが働きます。ただ、片道の移動だけでなく、往復の時間、運転する人の負担、到着後の滞在まで考えると、送迎は一つの独立した仕事です。「一日空ければできる」ことと、無理なく引き受けられることは同じではありません。
予定を動かせる余地が少しあるからといって、それをすべて使い切る約束をする必要はありません。本人の時間だけでなく、パートナーの運転や、ほかの人の仕事にも関わります。頼まれた人が、その場で全員分を承諾しないことも大切です。
2.断る前に、移動の何が難しいのかを確かめる
遠方への送迎を求められたやり取りでは、こうした見方も出ています。
年配の方を見ていて思うのは、知らない人の車に乗るのが嫌で、そう手配されると大切にされていない、気にかけてもらえていないと感じることがあるんですよね。
これは一つの見方であり、年齢だけで本人の気持ちは判断できません。長時間座るのが難しいのか、乗り換えが不安なのか、知らない運転手への抵抗なのかで、検討する方法は変わります。「タクシーを出せばよい」と手段だけ決める前に、本人に何が心配か聞く価値があります。体調に関わる可否は、家族の推測だけで決めないようにします。

3.配慮することは、必ず自分で運転することではない
負担の引き受け方については、こんな意見もあります。
少しでも迎えに行けるなら、私なら行きます。どうしても無理なら、別の手段を用意して、利用するかどうかは本人に決めてもらいます。
自分なら迎えに行く、という判断も、その人の選択です。全員が同じ余裕を持つわけではありません。ここで考えたいのは、行けない場合にも、別の移動方法を調べる、ほかの家族に相談するなど、運転以外の配慮があることです。ただし、別の人に頼む案は、その人が引き受けられるか確認してから提示します。
4.できる範囲と、誰が返事を待つかを決める
ここからは伝え方の例です。「来てもらえたらうれしい。でも私たちは準備があるので迎えには行けません。ほかの家族の送迎か別の移動方法を相談したいです。予約の都合があるので、○日までに一緒に確認できますか」。その場しのぎに可能性を残すより、できない部分ははっきり伝えます。
手配の窓口が複数になると、家族の間で話が食い違うこともあります。移動、費用、付き添い、返事の期限を誰が確認するか整理しておきます。「大切ではないのね」と言われても、愛情の証明として予定を増やすより、「大切に思っている。迎えはできないので、この方法を相談したい」と話題を戻せます。

5.できない約束を増やさず、参加する方法を一緒に考える
家族に出席してほしい気持ちを伝えることと、希望された方法をすべて引き受けることは別です。本人の不安を聞き、実際に使える案を確かめ、その範囲を伝える。そこまでしても参加が難しい場合はあり、誰か一人の配慮不足だけで説明できるとは限りません。
まずは「迎えに行くか行かないか」を一人で抱える前に、移動に必要なことと、分担できる人を紙に並べてみてください。式を迎える二人も、準備と当日を落ち着いて過ごすための時間を持ってよいのです。